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RELEASE

Hi-STANDARD [ THE GIFT ] JKT画像

Hi-STANDARD New Album [ THE GIFT ] Release: 2017.10.04 / Code: PZCA-81 / Price: 2,500yen(without tax)

TRACK: 01. All Generations / 02. The Gift / 03. Can I Be Kind To You / 04. Going Crazy / 05. Time To Crow / 06. My Girl / 07. Hello My Junior / 08. Big Ol' Clock / 09. We're All Grown Up / 10. Punk Rock Is The Answer / 11. Pacific Sun / 12. I Know You Love Me / 13. Bridge Over Troubled Water / 14. Free /  [ Bonus Tracks ]  15. Friend Song / 16. Cabbage Surfin’

リアルショップ特典

リリース告知B2ポスター

Nirvana、The Offspring、Green Day、Beastie Boys、Red Hot Chili Peppers、Pearl Jam、Soundgarden、Stone Temple Pilotsといった海外ロックバンドのポスターやジャケットのアートワークを手がけてきた Frank Kozik が手がけたジャケットデザインを大々的にフィーチャーしたリリース告知B2ポスター。

無料配付CD(The Gift 1曲収録)

ニューアルバム購入者先着で「The Gift CD」と題した無料配付CD(The Gift 1曲収録)を配付。

裏ジャケットには「あなたの大切な人にこのCDを渡して下さい。家族や恋人、学校の友人、会社の同僚、あのころ一緒にHi-STANDARDのライブに行っていた仲間、そしてHi-STANDARDの事を知らない人、大切な人とあなたの気持ちをシェアする為のギフトとしてこのCDを活用してください。」と記されている。


※各特典はリアルショップのみの数量限定先着特典となります。

「THE GIFT」バンドスコア期間限定ネットプリント対応!

The Gift -Band Score-

10月4日(水)リリースのHi-STANDARDニューアルバム「The Gift」の発売に先駆け、9月18日(月)に「これは君へのギフト。」というHi-STANDARDからのメッセージとともに、渋谷駅・梅田駅の壁一面に表題曲「The Gift」の巨大バンドスコアが突如公開。

早速、巨大なバンドスコアを写真に撮って思い思いの『The Gift』を演奏している方もいますが、全国の皆さんにも届けるために、このバンドスコアが9月21日(木)20時より期間限定で全国主要コンビニエンスストアのマルチコピー機にてプリントアウトが可能に!

■ 対応店舗
セブン-イレブン・ファミリーマート・ローソン・サークルK・サンクス・セイコーマート・セーブオン

■プリント料金
160円(A3サイズ 白黒×8枚分)

プリント方法詳細はこちら »

Hi-STANDARD [ The Gift ] Special Interview

Vol.01

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10月4日にニューアルバム『The Gift』をリリースするHi-STANDARD。今回はその作品についてじっくり話を聞くインタビューなのだが、よく考えてみると、彼らのインタビューは90年代こそ雑誌を中心にたくさん目にすることができたが、それに比べるとウェブ上にはそこまで数がないし、あるとしても、読者が3人の活動に関する知識をある程度持っている前提で話が進んでいるものが多い。そこで今回、若いリスナーや『The Gift』で初めてハイスタに出会うであろう人たちのために、今改めてHi-STANDARDのHi-STANDARDたる所以にスポットを当て、2010年代を生きる3人と、そんなバンドが自信を持って世に送り出す傑作について理解を深めていきたい。

--Hi-STANDARDって、作品のリリースの仕方とか、宣伝の仕方とか、自分たちの見せ方にこだわってきたバンドだと思うんです。

横山いやぁ、そうは言うけど、そんなことないんだよ。自分たちがいかに興奮できるかっていうことにこだわってきた結果、それが見せ方につながってただけで。

難波それがたまたま特別だったってだけ。

横山そうそう。他のバンドが思ってる程度にはどういうふうに見られたいかは考えてるけど、そこにめちゃめちゃこだわってたってことはないよ。

--でも、「これは嫌だ」「これはやりたくない」ということがすごく多かったと思いますよ?

難波まあね。トイズ時代(TOY’S FACTORY。1994年から1998年までHi-STANDARDが所属していたメジャーレーベル)に「駅張りの広告をやりませんか?」って言われて断ったり、CMのタイアップも断ってたしね。

横山それはこだわりというより、みんなが何となくやってることに対してちゃんと疑問を持ったってだけのことで。……ひとつ覚えてるエピソードがあるんだけど、『ANGRY FIST』(Hi-STANDARDが1997年にリリースした2ndフルアルバム)をリリースする前のまだ新人同然だった頃、車のCMのオファーがあったの。それで3人してすごく悩んだんだけど、雑誌に「ライブハウスで謎の人気を誇るHi-STANDARD」って書かれるのと、「○○のCMで話題のHi-STANDARD」って書かれるのでは大きな差だねっていう話になって、そこにこだわって止めたっていうのはあるね。

難波当時はハイスタみたいなバンドがCMのタイアップをやるなんてことはなかったのよ。でも、そのときは「○○万円出しますから!」ってすごい金額を提示されて。

横山そりゃあ一瞬なびいたよ(笑)。そんな大金なんて想像つかなかったし。

難波でも、オファーが来たのはうれしかったけど、Hi-STANDARDという新たな個性はそれを選ばなかったんだよね。

--そんなことがあったんですね。話は戻りますけど、雑誌のインタビューひとつとってみても、「そのインタビューってやる意味あるの?」っていうところからしっかり考えてたし、店頭での作品の並び方についても、「お店に馬鹿みたいにCDが並んでるのは格好悪いから、イニシャルは○○枚しか付けない」みたいな考え方を持っていたし、相当こだわってたと思います。

横山時代が時代だったからさ。当時はイニシャル(初回出荷枚数)を積んでナンボの時代だったじゃない? 名前は出せないけど、とあるアーティストはCD400万枚も出荷して、実際に売れたのは200万枚とかさ。だけど、テレビとか雑誌には400万枚売ったって出るわけで、そういうのが格好悪いと思って。しかも、そのうち返品が百何十万枚とかあるわけじゃん? そういう時代だったから、ハイスタが同じことしてもしょうがないって思ってた。

難波海外ツアーに行って、FAT WRECK CHORDS(アメリカのパンクバンドNOFXのベースボーカルFAT MIKEが主宰するパンクレーベル。Hi-STANDARDのアメリカでの所属レーベルでもあった)とかEPITAPH(アメリカのパンクバンドBAD RELIGIONのギタリストBRETT GUREWITZが主宰するパンクレーベル)のバンドのやり方を参考にしてPIZZA OF DEATHを作って、そこからさらにこだわりが強くなったのかもね。

横山まあね。海外に出て、リアルタイムで一緒に活動してるバンドのやり方を見て刺激を受けたのは間違いないよね。だって、全部自分らでやってたんだもん。

難波こういう言い方すると語弊があるかもしれないけど、日本にはデカいパンクバンドがいなかったから。

横山俺らは日本に先輩がいなかったから。厳密に言うと、先輩って言われてるバンドはいたけど俺らは相手にされてなかったから、当時は先輩だと思ってなかったの。今ではあの人たちがいたからこそ俺たちみたいなバンドがいるって思えるけど。

難波それでもセールスが100万枚いくようなバンドはいなかったからね。だから、日本というフィールドで俺たちはどんな感じで行けばいいのかなっていうことで、トイズに行ってトライした部分はあったのかもね。

横山そういう部分ではグッと前に出て、でも他のオファーに対しては引っ込んだり。出たり引っ込んだりが激しかったんだよね(笑)。

--ハイスタはそこのさじ加減が絶妙なんですよ。大胆な動きをとったかと思えば、他の部分ではじっと黙ってるっていう。

横山ピュアなところとへそ曲がりなところ、両方あるんだと思うよ。だって、今でも覚えてるんだけど、トイズから最初に『GROWING UP』(Hi-STANDARDが1995年にリリースした1stフルアルバム)を出すって決めたときもさ、COCOBAT(1991年結成のヘビーロックバンド)の坂本くん(TAKE-SHIT)が「『日本で初めて聴いたパンクバンドはHi-STANDARDです』って言われたらうれしくない?」って言ってくれて、「うれしいッス! 俺ら、そうなるッス!」って答えちゃうピュアさもあったし、それとは逆に来るものに対して慎重になるところもあったし。

難波でも、バンドがデカくなることに対する怖さは全然なかったよ。だって、ピストルズとかクラッシュとか聴いて育ってるわけじゃん?

横山全員メジャーだからね(笑)。

難波ピストルズがEMIに行って、そのEMIをディスりまくってる感じとか面白いなと思ってたし、そういうちょっとしたメジャーへのあこがれはあったかもね。

--そうしてTOY’S FACTORYと契約を交わして、人気を拡大していくわけですけど、それと同時に関わるスタッフの数が徐々に増えてきて、メンバー間で意思の疎通がしづらくなるという状況に陥ってしまったんですよね。

横山うん、そうね。

--そんな1998年のアメリカツアー中に、ツネさん(恒岡)がポロッと「俺たち、このままでいいのかな」って言ったっていう話を過去のインタビューで読みました。

恒岡ん~、俺がそう言ったからクンケン(横山)が背中を押されたっていう話は人づてに聞いたことはあるけど、自分から公の場で言った記憶はないなぁ。でも、メジャーでやっていくにあたって、自分たちが納得してできることをやろうっていうことは3人のなかで共有できてたし、その上で『ANGRY FIST』が出て、状況が一段階あがったところで「このままでいいのかな?」って思ったことはたしかだね。

--ツネさんにとってもアメリカツアー中に刺激を受けたことは大きかったんですよね?

恒岡「自分たちでやろうよ」って言ったのは、海外のバンドからの影響ももちろんたくさんあったけど、メジャーのなかのインディーレーベルっていう形にだんだん矛盾を感じていた部分もあって。それと同じようなことはメンバーそれぞれたくさん感じてたと思う。

横山うん。WARPED TOUR(パンクやメタルを中心に100程度のバンドが全米の都市を回る大型ロックフェス。Hi-STANDARDは1998年に参加)の最中にナンちゃん(難波)がすごく悩んでるのも見てたし。

難波そう、いきなりMIKEから呼ばれたのよ。それで「日本でハイスタはどんな感じでやってるんだ?」「印税は何%なんだ?」「そんなやり方でいいのか?」「自分たちが本来もらえるはずのものがかなりもらえてないぞ?」「それだけのことをレコード会社にちゃんとやってもらえてるのか?」みたいなことを言われて。最初は「やってもらえてる」と思ってたけど、FATのバンドの活動を見てるうちに、ハイスタは自分たちに必要ないことまでやってもらってたのかなって思うようになったんだよね。

横山あの頃はEPITAPHとFATの絶頂期だったからさ、WARPED TOURに出てもみんなが眩しく見えたね。みんな同じようなシステム……っていうと変だけどさ、バンドメンバーがいて、サウンドマンがいて、ローディがいて、ギターテクがいて、物販がいて、どのバンドも全員でひとつのチームになってんの。それでライブが終わると、それぞれのバンドのバスでちゃんと金の計算してるわけ。それを見て、「俺たち、チームいねぇじゃん!」って。

難波あれはすごいと思ったよね。自分たちは日本に帰ればいろんなことを人にやってもらってたけど、“チーム”と言えるものではなかった。

横山そうやってそれぞれが悩みを抱えてたんだよ。ダイシ(筆者)も言ってたけど、俺ら3人以外の人がいないと集まれない状況が生まれてきて……まあ、今では俺たちはこれだけ別々のことをやってるから、間に入ってくれる人がいないとむしろ困るんだけど、そのときの俺たちはすごく違和感を覚えたの。俺、どんなことに対しても「これでいいのか?」って思うのはパンクスのDNAなんじゃないかと思うんだよ。そういうDNAを3人それぞれが持ってて、当時はそれがネガティブなほうに出ちゃったんだと思う。今だったら話し合って済むようなことでも、当時はお互いに当たるようになってきてさ、当然バンドの空気も悪くなって。

恒岡そうだったね。

--これはあくまでも“もしも”の話ですけど、FAT MIKEからアドバイスをもらったり、海外ツアーに出て他のバンドから刺激を受けてなかったら、そのままバンドが潰れてた可能性もあったということですか?

難波それは結果論だから分からないけど、そのあとPIZZA OF DEATHを設立して、『MAKING THE ROAD』(Hi-STANDARDが1999年にリリースした3rdフルアルバム)を作って……3人で作った会社とは言え、実務的なことはケンくん(横山)がやってくれて、そのせいでケンくんが疲れて、結果的にバンドが潰れたと言えば潰れたわけじゃない? だから、誰のせいっていうことじゃなくて、あのままトイズにいて『MAKING~』を出したとしても活動休止してたかもしれない。……でもあの頃、どうせ活動休止するならピザ作ったほうがいいんじゃないかって思ったのよ。すごく変な言い方だけど。俺は『ANGRY FIST』の次のアルバムは間違いなく売れると思ってたの。時代の流れ的にも、ハイスタの勢い的にも。

--当時、多くの人がそう感じてたと思います。

難波だったら、最後にバンドが吹っ飛んででも自分たちの力で作品を出して、自分たちが納得いくようにやったほうがいいんじゃないかって思ったの。ケンくんには負担が大きかったかもしれないけど。

横山たしかにそんなこと言ってたような気がするな、97、8年ぐらいのナンちゃんは。

難波そう。それで自分たちの城を作って一度やってみた方がいいんじゃないかってみんなに提案したのかもな。メジャーとかインディーとかそんなレベルじゃなくてさ。話は飛んじゃうけど、今こうやって『ANOTHER STARTING LINE』も『The Gift』もPIZZA OF DEATHからリリースできる状況にあるっていうことは、あのときの選択は間違いじゃなかったとは思えるかな。

横山そう。長くて苦しい時代はあったけどね。

--メジャー/インディーではなく、自分で自分のケツを拭くことを選んだっていうことですよね? それが結果的にインディーというくくりにはなったけれど。

横山そうそう。別にインディーになりたかったわけじゃないから。

難波権利から何から全部自分たちで持つっていう。

横山だから必死で勉強したよ。

難波俺は後になってから勉強したけど、当時のケンくんはすごかったと思うよ。

横山この3人のなかで事務的なことをするのは俺なのね。

難波ケンくんはPIZZA OF DEATHを作る前から首にがま口ぶら下げてさ(笑)、ツアーに行ってはガソリン代とかの経費を出してくれたりしてたのよ。

横山「BRAND NEW SUNSET」(『MAKING THE ROAD』収録の楽曲)のミュージックビデオを観てもらいたいんだけど、俺、ウェストバッグを体の前につけてるの。

難波そうだね(笑)。

横山あれ、すごく格好悪いんだけど、しょうがないの! あの中にバンドの全財産が入ってたから!

--あはは!

難波「これを失くしちゃみんなに悪いから」って。

横山あんなもん、前につけてたくなかったけどさ! 

--後ろだと怖いから(笑)。

難波あそこから経営者・横山健は始まってるんだよ。

一同(笑)

--さっきの「どうせ活動休止するなら」っていう言葉に戻るんですが。

横山思い切りたかったんじゃないのかな。海外のバンドを直に見て刺激を受けて、「俺たちこんなんでいいのか」って。

難波あと、自分たちのレーベルをやるとしても、そこまで長くやる予定がなかったっていうか。

横山あ、意外とナンちゃんはそう思ってたよね。

難波そう。自分の人生的にもバンドを30過ぎてやるとは思ってなかったから、それ以降のイメージが全然持てなかった。だから「ここで一発やってやりたい」っていうことだったのかな、『MAKING~』は。

Vol.02に続く
Interview By 阿刀大志

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Vol.02

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Hi-STANDARDインタビューPART1となる前回は、メジャーレーベルとの契約からPIZZA OF DEATHの設立までを3人に振り返ってもらった。今回お届けするPART2では、約11年の活動休止期間を経て、歴史的なツイート「9.18 ハイ・スタンダード AIR JAM。届け!!!」を放つに至ったHi-STANDARDの本質、ハイスタからPIZZA OF DEATHへと受け継がれたハイスタイズム、そして最新作『The Gift』の核心へと迫っていく。

--『MAKING THE ROAD』をリリースしたあとのビジョンを持たないままPIZZA OF DEATHが始動し、結果的に2000年のAIR JAM 2000を最後にハイスタは活動休止期間に入ってしまいました。だけど、その後もハイスタイズムはPIZZA OF DEATHのスタッフに受け継がれていって、今再びリリースにつながっているという。

横山なかなか壮大なロマンだよね。

--今でこそ違いますけど、マネージャーが存在しないまま3人でバンドを運営していくという……まあ、そのせいで2011年の春までいろいろと大変なこともありましたけど、そのことが重要なポイントだったんじゃないかという気がしていて。じゃなかったら、東日本大震災から1ヶ月半というスピードで、3人揃って「9.18 ハイスタンダード AIR JAM。届け!!!」とTwitterで発信して、AIR JAM 2011の開催にこぎつけるなんて離れ業はできなかったと思うんですよ。これだけ大きなバンドが動くとなったら、普通はマネージャーをはじめとして様々な人がそこに関わってくるはずで。

難波それはケンくんも前に言ってたよね。

横山大きいバンドが一度離れちゃったらさ、それぞれに個人事務所があって、個人マネージャーがいて、「あいつに話さなきゃ」「こいつに話さなきゃ」みたいな面倒くさいことになるけどさ、俺たちは3人が集まってOKになったなら、あとは周りに説明して納得してさえもらえればいいわけで。そういうふうに3人で決められる強みはあるし、あの時のことはハイスタの成り立ちを証明してるよね。

難波“オトナ”っていう言葉があるじゃん? メジャーのレーベルの人、マネージメントの人、業界の人。ハイスタにはそういうオトナがいないよねっていう話になって。

横山まあね。ピザ始めたときなんて全員20代だったし。

難波26歳そこそこの奴がよくやってたと思うよ。

--振り返ってみるとそうですよね。当時は必死だったし、同じようなことをやってるバンドが周りにいなかったからわからなかったけど、やってたことは異常ですよね。

横山俺は有限会社の設立の仕方から、「著作権とはなんぞや」とか「どこからどこまでが経費として認められるのか」とかそういうことを全部聞いて、税理士の先生から貸借対照表のことを習って、商工会議所に行ったり、法務局に行ってとか全部やってたら……イヤになっちゃった! あはは!

難波そんなふうにケンくんが頑張ってるなか、俺は「じゃあ、今日の打ち上げの会費、全部ピザで持っちゃうかい?」なんつって。そしたらケンくんから「今日はそんなにアガリがないんだからダメだよ!」ってシメられたり。

横山しかも、チケット代が1,000円だったりしてね(笑)!

難波もう全然ダメだったね! 当時はどんぶり勘定で生きてたから、本当に。

横山どんぶり勘定でひとつ思い出した! バンドTシャツを初めて作ったときのこと。今じゃ物販なんて普通だけど、当時はまだそんなのなかったの。で、俺は自分のバンドのTシャツを着るのが夢だったから、友だちの洋服屋さんに相談したんだよ。自分で手描きした絵を渡して、「これでTシャツ刷ってくれ」って。でね、全部で3色作って、そんなに枚数は作らなかったんだけど、メンバーは全色欲しいわけじゃない? だから3枚ずつ渡したわけ。それで残りは全部売ったんだけど、なぜか赤字なの。そりゃあそうだよね! そんなに数作ってないのにメンバーが9枚も持っていったらさ。しかもさ、そのTシャツ2,000円で売ったんだけど、実は下代で1,400円もかかってて。

難波ぼったくられちゃったんだよね。

横山今だったら考えられないでしょ? 今はみんなノウハウあるし、「白ボディだったら下代は1枚400円ぐらいかなぁ」なんて計算が立つけど、当時はそんなこと全然知らなくて、「なんで全部売れたのに赤字なんだ!」って(笑)。そうやって全部手探りで覚えていったんだよ。

難波それでバンドがグッズ作るのが格好良いってなってみんなやるようになったんだよね。

--当時はそんなに珍しいことだったんですね。

難波それもNOFXから学んだことで。チケット代を500円とかとにかく安くして、ツアーの経費をTシャツの売上でカバーしてるのを見て、「ああ、これはいいなぁ」って思ったんだよね。

横山ジャパコアのバンドは当時からTシャツ作ってたのかもしれないけど、そういう人たちからは教わるチャンスはなかったからさ。

--こうして話を聞いてみると、3人に元々備わってたパンクのDNAもあったけど、苦労しながら身に付けていった経験や発想がHi-STANDARDというものを作っていった部分も大きいんですね。

横山……あ、またひとつ思い出しちゃった。これはトイズから出す前の話なんだけど、とあるインディーレーベルから「LAST OF SUNNY DAY」(Hi-STANDARDが1994年にリリースした1stミニアルバム)を出す予定で、レーベルにスタジオを押さえてもらってレコーディングしたんだけどさ、いっこうに発売日が決まらないわけ。「リリースするお金がないから」って言われて何ヶ月も先延ばしにされちゃって、時には逆ギレされたりもして。それで俺とナンちゃんで真冬の公衆電話から電話したんだよね。

難波そうだったね。

横山それで、レーベルの人にどうしたら出してくれるのか聞いてみたら、「レコーディング代を全部出したら原盤をあげるよ」って言われたの。それで、「レコーディング代っていくらかかったんですか?」って聞いたら50何万って言われて。当時の俺たちなんて一回の飯に500円かけるのがやっとだったからさ、「50万!? 天文学的数字だ!」ってなったわけ。そこで“原盤”ってものの存在を初めて知ったんだよね。

難波そのことでちょっとインディーってものが嫌いになって、それがきっかけでメジャーに行きたいって思ったのかも。「裏切られるの嫌だな」って。そこを救ってくれたのが当時トイズにいたCOCOBATの坂本くんで、だからトイズに行ったの。その頃はブッチャーズ(bloodthirsty buthcers)もトイズにいたし、大丈夫かなって。

横山当時のトイズの社長は心が広い人でさ、「なんでもやりなさい」って言ってくれて、でもトイズの本丸からリリースするわけにはいかないから、「自分たちで名前をつければインディー流通に乗せてあげるよ」って。それで付けた名前が“PIZZA OF DEATH”。

--話を活動休止後に戻します。2000年代の10年間、ハイスタの活動はずっと止まってましたけど、バンドの性格や魂的なものはしっかり残ってたんですか?

横山どうやらそうみたいだね。

難波そこはPIZZA OF DEATHが継続されてたことが一番大きいんじゃないかな。もしハイスタが活動休止したときにPIZZA OF DEATHも解体されてたら、そのイズムは完全に途切れてただろうし、今それをもう一度作り直そうとしてもなかなかできないよね。

--AIR JAMまではできたでしょうけど。

難波リリースはまた違うもんね。あとはさ、PIZZA OF DEATHって全国のライブハウスとのネットワークが半端ないじゃない? こないだも思ったんだけど、どこのライブハウスに行っても絶対にピザのフライヤーとかポスターが置いてあんのよ。そういうライブハウスとの関係ってこれまでに積み重ねてきた歴史だし、それってものすごい財産だよね。それが一度途切れて、10年後にまたやりましょうなんつってもなかなかできないよ。

--去年はシングル『ANOTHER STARTING LINE』が突然店頭に並ぶというリリース方法で世間を驚かせたわけですけど、今回は全国主要都市のアドボードでリリース告知をするという、またしてもとんでもない手法をとりました。

難波やったよねぇ。ピザのスタッフから最初にそのアイデアを聞いたときにすごいと思ったの。「そうくる!?」って。アルバムを出すことが決まった頃に、そいつが「どうやったらハイスタがいいふうに見えるか、僕なりに考えてみます」っていうことを言ってて、その結果がアレだったから、すごく考えたと思うんだよね。

横山俺、ひと言も相談されなかった(笑)。

一同(笑)。

--社長なのに。

恒岡ピザのスタッフが「こっちかなぁ、どうかなぁ」って悩みながら、慎重に仕事を進めている姿を何度も見てたから、「有り難いなぁ」って思ってた。

--アルバムの制作はいつから動き出してたんですか?

難波去年のAIR JAMをやるときには「アルバム作ろうか」っていう話にはなってたかもね。で、本気でやろうかってなったのが年明けてちょっとしてから。

--意外と最近だったんですね。

横山そうね。

難波「曲数足りなくてもいいからやろうよ」って。ツネちゃんは絶対12曲は必要だって言ってたけど、俺とケンくんは「やることやって足りなかったらしょうがないよね」って。

恒岡俺はアルバム単位にならないなら絶対にやらないほうがいいってしつこく言ってた。

--ツネさんとしては、中途半端なボリュームでは出したくなかったと。

恒岡うん。それでナンちゃんとも話して、「ツネの気持ちはわかった。じゃあ、やれるだけやろう」って。クンケンともみんなともそうやって話をして、曲作りの途中で「この曲でストップしてもいいかな」って話になったこともあったんだけど、「もうちょっとやろうよ」って。でも、共有してた意識は3人とも同じだったかな。

横山俺はたとえ8曲になったとしてもアルバムっちゃあアルバムじゃんって思ってた。曲が長いからっていうのもあるけど、METALLICAなんて8曲でアルバムにしてたわけだし、LIFETIMEなんて11曲20分ちょいでもアルバムなわけ。だからそれでいいじゃんって思ってたけど、ツネは嫌だったみたい。

恒岡うん、なんでかは自分でも上手く説明はできないけど、もしかしたらシングルを経たからこそそう思ったのかもしれない。

難波でも、結果としてはよかったよね。俺はやることに意義があると思ってたんだけど、ツネちゃんがそういってくれたから、「じゃあ、やってやるよ!」って思えた。

横山俺は8曲しかできなかったらツネを騙してでも出そうと思ってたけどね(笑)。

--あはは!

恒岡俺ももちろん、やってみてできなかったらそれはしょうがないとは思ってたよ。

横山それで、1月の終わりにまず「ALL GENERATIONS」ができたの。それまでも何曲か作ってたんだけどなんかイマイチで、でも「ALL GENERATIONS」ができてからギアが入って、4月のケツまでに16曲できた。

--ええ~! それはすごい。

横山すごかったよ。マジックがかかってたんだと思う。だって俺、いつもスタジオ終わって車で帰るとき、視野が狭くなって耳鳴りがしてたもん。それぐらい気持ち的に集中してたというか、一生懸命やってた。

--ハイスタの曲作りってすごく時間がかかるイメージですけど。

横山でしょ? 90年代のハイスタはツアーをしながら徐々に曲を作って、半分ぐらい曲がたまったところで「さぁ、アルバム作りに取り掛かろう」って残り半分を作るやり方だったから。

難波作った曲をライブでもやってみてね。

横山そうそう。だから、こんな曲の作り方は初めてだったの。今回はまず、ナンちゃんにスイッチが入ってさ。持ってくるネタの量がすごいのよ。「ALL GENERATIONS」の元ネタを持ってきたのもナンちゃんだし。それで俺がピンと来ちゃって。

難波ネタを持っていけばケンくんがアレンジをしてくれるんだなっていう安心感が生まれて、「こんなのどう?」ってどんどん持っていけたね。

横山ナンちゃんが鼻歌を歌うのよ。「こんな感じの思いついたんだけど」って。それをギターで拾って曲にしていったり。

難波そうだね。それはもう、青春でしたよ。曲作りの時間は短かったけど、「ああ、これは初期のハイスタっぽい」って思った。

横山ナンちゃんがポンと俺にネタを投げてきて、ピンとこないものは「うーん」ってなるんだけど、ピンとくるとすぐにBメロが浮かんだり、サビが浮かんだりして、それを家に持って帰ってちょっとアレンジしてみて、それをツネに渡すとさらに面白いことになったり。

難波それがまたいいんだよなぁ。

--ツネさんは横山さんから流れてくるものに対してどう感じてたんですか?

恒岡クンケンが提案してきたものに対して、「じゃあ、こんなのはどうかな?」って返すやり取りはいつもどおりなんだけど、今回はそのスピードが早かった。

横山もう、ナンちゃんが強烈だったよ。一回の練習で3つ4つネタを持ってくるの。

難波バーっと降りてきたね。それはもう、「やるならとことんやろうよ」っていう話でさ。「The Gift」なんて最初は超バラードだったんだよ。だけど、「これ、速いほうがいいと思うんですよね」ってWAKA(Hi-STANDARDのマネージャー)が。

横山そう。WAKAが言うんだよ、「CLOSE TO ME」みたいなリフを作ってくれだの。

難波「STAY GOLD 2」を作ってくれだの。

横山最初はそういうリクエストを受けて「うーん」って考えるんだけど、それを4、5回も言われると、「じゃあ、昔の曲でも聴いてろや!」って(笑)。

--『ANOTHER STARTING LINE』を聴いた上でまだそんなことを言ってくるんですか(笑)。

横山でも、そうやってみんなで作り上げていった感じはあるね。

難波今回、コンセプトとして「イケイケなアルバムを作りたい」っていうのがあったんだよね。だから、「ALL GENERATIONS」ができたときは「キタ!」って思った。

横山あの曲は速い8ビートで、ハイスタ特有の2ビートじゃないじゃない? でも、あれが今のハイスタなんじゃないかなっていう気がすごくしてる。

--たしかにそう思います。去年、ナタリーのインタビューで難波さんに話を聞いたとき( http://natalie.mu/music/pp/histandard03 )、大人のパンクロックにしたかったという話をしていたと思うんですけど、今作にもそれが引き継がれてるなと。個人的には「MY GIRL」以降のミドルテンポ多めな展開が好きですね。全体的に曲の速さは抑えめですけど、それが今のハイスタっていうことなんですか?

横山曲の速さについてはすげぇディスカッションしたね。

難波そうだね。

横山俺は「もっと速く! もっと速く!」って感じだったんだけど、練習で録ったものを家で聴くとさ、そう思ってるのは俺だけなのかなとか思ったり。そこでツネに聞いてみたら、ツネのやりたいリズムと俺のやりたいリズムがすごく離れてることがわかって、結局ナンちゃん案を採るっていうね(笑)。

恒岡そういう曲もいくつかあったね。

横山そうやって1曲1曲に対するディスカッションはすごくしたし、レコーディング直後にも「もうちょっと速く録りたかったな」っていう曲がいっぱいあったのね。でも、結果的にこれでよかったんじゃないかなって気はする。

恒岡それは3人とも共通して思っているところですね。

--3人とも速くしておけばよかったと思う曲があったのに、最終的にここで落ち着いたのは何故ですか?

難波速い曲ってムズいんだよね。3人が相当噛み合ってないとスピード感って出なくて。BPMだけの問題じゃない。今回は短期間で集中して作ったけど、ここが今の3人のBPMだと思うのよ。

恒岡でも、さっきダイシが言ってくれたように、「MY GIRL」以降のミドルな感じがいいって言ってくれるのは、ひとつの感想としてうれしいね。

--ツネさんは今回のテンポ感についてどう考えてたんですか?

恒岡テンポ感については歌が基準になって演奏がまとまっていく部分があるから、そこに対するナンちゃんからのリクエストには応えてた。で、自分がどうしても曲げたくないときはそういう話をしたり。あと、今回のアルバムは大きく演奏のイメージを変えたくて取り組んでる部分があったんだけど、やってるうちにそれが合わないことに気が付いて途中から修正して。

難波それは具体的にどんな感じだったの?

恒岡右バッターが左打席で打つ感じ。

難波全然わかんないわ!

--それって相当な変化じゃないですか?

恒岡そうそう。そんなようなことをやってたの。だけどそれが噛み合わなくて、さっき言ったみたいに最終的に元に戻したらちょうど良くなってきたんだよね。

難波ツネちゃんは最初から右バッターだと思うんだよ。ドラムって一番アスリート的だと思うし、肉体との戦いっていうこともわかってる。特にパンクロックの場合は。だからツネちゃんもすごく戦ってると思う。だけど今回は右バッター全開のツネちゃんが見たかったから頑張ってもらったな。

恒岡スタジオで作業していくなかでいろいろ確認できたことはあったかな。

--結果的に元には戻したけど、トライしたことに意味はあったんですね。

恒岡なんでもトライ&エラーだと思うんだよね。

横山まあ、トライ&エラーも一人でやってくれりゃあいいんだけど、俺らの前でやられるとこっちはたまったもんじゃねぇよ(笑)。

一同(笑)

恒岡まあ、ハイスタは縦社会だから。

--トライアングルとは言いつつも。

横山でも、今の話の流れだと明らかにツネが一番上だよね! 「僕の好きなようにやらせてください」って!

一同(笑)

Vol.03に続く
Interview By 阿刀大志

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Vol.03

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3週にわたってお届けしてきたHi-STANDARDインタビューも遂にPART3。完結編となる今回は、ニューアルバム『The Gift』について引き続き3人に話を聞くとともに、10月26日からスタートする全国ツアーへの意気込みも語ってもらった。初のアリーナツアーに込められた思いとは……? と、その前にまずはこれまで明かされることのなかった2000年代初期の話からスタート。

--話は変わりますけど、2000年か2001年ぐらいにカバーシングルを出そうかっていうことでスタジオに入ってた時期がありましたよね?

横山うんうん。

--「MY GIRL」ってそのときからあったカバーで、当時一度だけ聴いた覚えがあるんですけど。

横山そうなんだよ。俺、そのときのことをよく覚えてて、「BRIDGE OVER TROUBLED WATER」もそのときにやってた曲でさ、すごく出来がよかったから、練習テープを家で一人でずーっと聴いてたんだよ。それが忘れられなくて、今回アルバムを作るタイミングでどうしても試してみたくなって、2人に「あれやろう!」って。「BRIDGE~」は難しくて何度か挫けそうになったんだけど。

難波そこはケンくんとツネちゃんは戦ってたよね。

横山そう、俺が歌ってほしかったドラムのやり方と、ツネのドラムの歌わせ方が全然違ってさ。

恒岡ああ、あったね。

横山俺は歌に合わせて叩いてほしかったんだけど、ツネは勝手に歌っちゃうところがあるから(笑)。いや、それはツネのいいところでもあるんだよ? だから、「そこはもっと歌に寄せてくれ!」って。

--「BRIDGE~」はド渋ですよね。さあ、どこで駆け出すかと思ったら。

難波そのままずっと行っちゃうっていう。

--当時からアレンジは変わってるんですか?

横山細かいところは相当変わったと思う。「MY GIRL」も大枠は変わってないけど、今のアレンジになってる。

--17年の時を経てこうやって形になるとは、実に感慨深いです。あと、「WE’RE' ALL GROWN UP」もいいですね。

横山ああ、あれができたときは「これはハイスタだね!」ってなったね。

--あの曲は昔からのファンが一番入りやすいかもしれないですね。あと、「FRIEND SONG」のギターもいい。

横山いいっしょ? 初めて12弦ギターで弾いたんだよ。ナンちゃんが朴訥な曲を突然作ってきたから、これは12弦ギターで弾いてみたら面白いかもなと思って。

難波今回、久しぶりにハイスタでアルバムの制作に入ったけど、「ああ、やっぱケンくんはすごいんだな」って思った。

--改めて。

難波思ったね。だって、ケンくんがそうだと思ったものは俺もヤバいと思ったし。今回、ケンくんと俺が一度もぶつからなかったんだよね。俺のアイデアを完全に覆されても「いいな」と思えたし。

横山「WE’RE' ALL GROWN UP」じゃないけど、エゴじゃないんだっていうことがわかってるから、みんながちゃんとひとつの目標に向かってた。

--やっぱり『MAKING THE ROAD』のときとは違いますか。

難波そうだねぇ。あのときはけっこうバチバチで。「譲りません!」みたいな。

横山真面目な話、めっちゃすごいチームだと思うよ、今。ナンちゃんがアイデア出して、俺がアレンジして終わりじゃない。それをまたナンちゃんに投げ返して、またナンちゃんから返ってきて、それをまたコネコネコネコネして。

--この素材を使って何か美味いもんできないかな、みたいな。

横山本当にそう。俺が調理に取り掛かると、ナンちゃんも一緒になって調理するわけよ。そこにツネが調味料を持ってきて、本来はソースを使うような場面で醤油を入れて、それが面白い味になってくるわけ。

難波今回、RYAN(GREENE。今作のミックスを手掛けたエンジニア)とは日本とアメリカでやり取りしたんだけど、RYANから送られてきたミックスを聴いて、俺は「これぐらいでいいんじゃないかな」って思ってたんだよ。だけどケンくんが納得いってなかったから、俺は「とことんやったほうがいいよ」って言ったの。そうしたら、作業の後半はケンくんしかRYANとやり取りしてないのよ。それで最終的に仕上がったのを聴いたらギターがすごい。初期のハイスタの音がする。

横山俺も、「ヤバい、託された」と思ったからさ。……ちょっと格好良い裏話していい? ここでハイスタがしょうもないサウンドを出したら示しがつかないと思ったの。世の中に対しても、ハイスタを目指してる若いバンドに対しても、ハイスタに憧れてくれてる子に対しても。自分で言うのもアレだけど、「結局、お前らの親玉ってそんなもんかよ」みたいなことになったらシャレにならないし、絶対に嫌だと思って。もちろん、自分たちのサウンドを格好良くしたいっていうのもあったけど、「日本のパンクロックのためにやったるぞ!」って感じだった。

難波その気持ちは強かった。

横山あと、『ANOTHER~』は楽しかったし、いい作品だとも思うんだけど、ハイスタは4曲じゃ表現しきれないんだなって痛感して、それが実はすごく不満だったの。だから今回、これだけ揃えられて気持ちがいいね。

--今回、アルバムタイトルが『The Gift』ということで。

難波これ、いいよねぇ。ケンくんが書いた歌詞から引用したんだけど、タイトル決めるときにこれしか浮かばなかった。

横山前から言ってるけど、ハイスタって歌詞は分業制で、俺かナンちゃんが書くのね。そうなると自分が書いた歌詞ってプレゼンしにくいのよ。だから、「ANOTHER STARTING LINE」はナンちゃんが書いた歌詞だけど、それをタイトルとして押し出そうって言ったのは俺だし。やっぱ、なんか「今、これでしょ」ってピンとくるものがあるんじゃないのかな。

--タイトルだけ見ると、ハイスタからファンへの贈り物のようにも受け取れるんですけど、同タイトルの楽曲の歌詞を読むとそれだけではないという。

横山誰にでもその人にだけに贈られたギフトが必ずあるよっていうつもりで書いたんだけど、ナンちゃんが「これはいろんな含みを持たせられるよ」って。

難波今回、ハイスタがこうやって集まってフルアルバムを作ったことも、音楽の神様なのかなんなのかはわからないけど、何かからのギフトだと思うのよ。それをみんなにも共有してもらえるんならそんなに幸せなことはないよね。これは奇跡的な話だからさ。最初の話にもつながるけど、自分たちで全部考えてやってきたからこそできる、他のバンドとは意味の違うアルバムになったと思う。単純に「何年越しに復活しました」みたいなのとはわけが違うんだよね。

--ずっとつながってますからね。

難波で、それをどう見せるかっていうことをPIZZA OF DEATHの新しいチームと考えて、また新しいことをやってる。アドボードのこともそうだけど、「新しいことやってますね」って人からも言われるよ。

横山俺たち、別にゲリラのつもりはなかったけど“ゲリラ告知”って言われて、そこにHi-STANDARD『The Gift』って書いてあったら、そりゃあ待ってた人は泣くよね。俺が待ってる立場だとしたら、潮吹いちゃうかもしれない(笑)。

--(笑)さっきも話に出ましたけど、それをオトナが考えてやってるわけじゃないですからね。なんで今回、昔の話が聞きたかったかというと、『ANOTHER~』のゲリラ販売がインパクトありすぎて、その手法ばかりが取り沙汰されてしまったので、ハイスタの本質的な部分を改めて伝えないといけないんじゃないかと思って。

難波たしかに。ハイスタのバックでオトナが動いてるように見えるんだろうね。

横山メンバーも含めてボンクラどもが知恵出して考えてるだけですよ。

恒岡野良犬どもがね。

--ツアーもすごいですね。アリーナとライブハウスが混在してるという、これも誰もやったことがない新しいツアーの形だと思います。

横山チャレンジだよね。まず、ハイスタの哲学として小さいところでやるのは当たり前でしょっていうのがあって、アリーナとアリーナの間に200キャパのライブハウスでやるとか普通じゃありえないことだけど、それをさらっとやるのがハイスタで。

難波なんでアリーナなんてデカいところでやるかっていうと、これぐらいの規模でやらないと観たい人たちがみんな観られないと思ったからなんだよ。今回はそういう人たちに本当に観てもらいたいから、これがいい具合のマックスなんじゃないかな。

横山今までハイスタを求めてる全ての人の希望には応えてこなかったと思う。だけど今回、初めて応えてみたくなったの。

--みんなに観てほしいとはいえ、50歳を間近にしてアリーナに挑戦するっていうのもちょっとしたプレッシャーですね。

横山そんなことはないよ。仕込む側は大変だと思うけど、ステージ出てってロックンロールするだけでしょ?

--ドヤりましたね。

横山いや、でも俺は本気でそのつもりよ。周りのスタッフを困らせると思うけど、毎日セットリスト変えるつもりだし。普通はこれぐらいの規模のツアーをするなら、しっかり曲順を決めて、照明も決めて、ちゃんと演出すると思うんだけど、そうはさせないから。

難波そうだね。そこは今までどおりのことをやるね。

恒岡そういうことだと思います。

--親世代のファンからするとアリーナで席があるっていうのはうれしいですよね。

横山それは福岡ドームでよくわかったね。「下(スタンディング)で暴れたいけど、子どもがいるから僕はこっち(スタンド)です」って言ってたお父さんにも来てもらいたい。

難波俺は、ハイスタが今の時代にどんな感じで打ち出すのかっていうのはぶっちゃけ不安だったのよ。どんなふうに見られるのかっていうことまで考えちゃって。でも、アルバム作ったら全部どうでもよくなった。「やるだけでしょ!」って。これはアルバムを作った自信なのかもね。

--それだけ今回の作品に納得がいってるってことですよね。

横山今日の昼に最終マスタリングが届いたんだけど、いいアルバムができたと思うよ。よそと比較するわけじゃないけど、俺らは俺らで今のハイスタに忠実で、今の音楽に擦り寄ってないものを作れたと思う。最近はボーカルのピッチをみんなキレイに整えるけど、ナンちゃんは嫌だって言って直さなかったの。ギターに関しても「切ったら血が出るぐらいのもん録っちゃる」って思ってたし。

難波これはみんなヤラれちゃうと思う。今って小学生ぐらいのハイスタファンがリアルにいるのよ。こんなに幅広いファンがいるなんてハイスタにとっては初めてなわけじゃん。中学生が聴いてコピバンを始めたりする勢いがあるアルバムだと思うんだよね。昔コピーしてた奴も「またやってみよっかな」って思うだろうし。

横山だから「ALL GENERATIONS」の歌詞を聴いてもらいたいんだよ。“ハイスタ世代”って言葉が定着しちゃってるけど、冗談じゃねぇよ。「どんな世代も来い!」っていう感じ。だから、子どもが親に教えてやってほしいし、お父さんお母さんも子どもに教えてやってほしい。

--みんな、「俺、ハイスタ世代なんで」って言いますもんね。

横山『ANOTHER~』のときにそういう言葉を色んな人からもらってうれしかったな。「これで僕もハイスタ世代になれます」って。

難波今好きになった子も、これから好きになる子も、みんなハイスタ世代だよ。よろしくね。

Interview By 阿刀大志

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THE GIFT TOUR 2017

  • [東 京] 10.26 (thu) 渋谷 TSUTAYA O-EAST / GUEST: HAWAIIAN6
  • [愛 知] 10.28 (sat) 名古屋 日本ガイシホール / GUEST: 04 Limited Sazabys
  • [福 島] 11.02 (thu) 南相⾺ BACK BEAT / GUEST: RADIOTS / COUNTRY YARD
  • [新 潟] 11.04 (sat) 朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター / GUEST: HEY-SMITH
  • [北海道] 11.18 (sat) 真駒内セキスイハイムアイスアリーナ / GUEST: BRAHMAN
  • [北海道] 11.19 (sun) 札幌 KLUB COUNTER ACTION / GUEST: SLANG
  • [⼤ 阪] 11.25 (sat) 大阪城ホール / GUEST: 10-FEET
  • [⼤ 阪] 11.26 (sun) 大阪城ホール / GUEST: MAN WITH A MISSION
  • [福 岡] 12.03 (sun) マリンメッセ福岡 / GUEST: SiM
  • [熊 本] 12.05 (tue) 熊本B.9 V1 / GUEST: Dizzy Sunfist
  • [東 京] 12.11 (mon) 下北沢 SHELTER / GUEST: HOTSQUALL / DRADNATS
  • [宮 城] 11.23 (thu) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ / GUEST: WANIMA
  • [埼 ⽟] 12.14 (thu) さいたまスーパーアリーナ / GUEST: マキシマム ザ ホルモン
  • はライブハウス公演、 はアリーナ公演

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